
ゲイ・バイセクシュアル男性のメンタルヘルスに関するアンケートに御協力いただき、ありがとうございました。調査研究実施から1年が経ち、研究に参加してくださったみなさんに結果の概略をご報告させていただきたいと思い、このページを作成しました。

200問を超える量の質問項目にも関わらず、1,050人もの方からご回答いただくことが出来ました。回答者の年齢分布は20代、30代が最も多く、平均年齢は27歳、最小年齢は14歳、最高年齢は65歳でした。また、居住地は、関東地方および近畿地方を中心とし、47都道府県全てから回答を得ました。

本研究は、日本におけるゲイ・バイセクシュアル男性の精神的健康の実態と、その心理・社会的要因を明らかにすることを目的として実施されました。よって、統計分析・解析においては、日本国内在住者と海外在住者をわけて行いました。当初、日本国内在住者(n=1,025)と海外在住者(n=25)の比較検討も行う予定でしたが、サンプル数に偏りがあったため、今回は日本国内在住者のみを対象に分析しました。分析にあたっては筑波大学をはじめとする国内外の多くの研究者や大学院生のご指導、ご意見をいただきながら行いました。
〓〓研究結果の公表について

学術研究として、ゲイ・バイセクシュアル男性の精神的健康に関する大量データを用いた実証研究は、これまで日本国内では行われてきませんでした。研究結果をアンケートに御協力下さったみなさんにご報告・還元すると同時に、性教育や、HIV/AIDS対策に役立てていくことを本研究の第一の意義と考えております。同時に、現在増加傾向にある同性間性的接触によるHIV感染者の直接的ケアにあたる機会が増加すると考えられる、保健・医療の従事者や心理職、性教育の現場に携わる養護教諭、そして本研究領域に関わる研究者などに、研究結果を広く知っていただきたいと考えています。これらの保健・医療・教育の各界を網羅する学会誌に分析結果の一部を論文にまとめ、投稿中です。

本研究の一部は日本思春期学会誌「思春期学」の誌面で発表しました(2000.9.25)。さらに、本研究の概要を社会心理学系の学会である「日本グループダイナミックス学会」(2000.10.1)で発表しました。また、昨年11月末に京都で開催された「日本エイズ学会」では、同性間性的接触のHIV感染者が急増している現在、ゲイ・バイセクシュアル男性の生育歴や精神的な健康問題にも配慮したきめ細やかなHIV対策が実施されるよう、発表・提言しました(2000.11.28)。

なお、学会で研究発表するだけではゲイ・バイセクシュアル男性の置かれている状況をひろく一般の方に知っていただくことは不十分と考え、長年に渡りHIV/AIDSなどの取材を継続されている信頼できる新聞記者およびジャーナリストに取材をお願いしている段階です。

これからもカウンセリングや思春期相談、性教育やHIV対策にに携わる方達へのアプローチを関連学会を通じて行っていくとともに、調査研究も継続させていきたいと思っております。

本稿では、日本思春期学会誌「思春期学」および「日本グループ・ダイナミックス学会」「日本エイズ学会」での発表内容に沿ってご報告します。
〓〓質問紙回答および自由記述欄について

回答ミスがとても少なく、アンケートに御協力くださったみなさんが本当に一生懸命回答してくださっていることを、データ入力の段階から強く感じました。また、自由記述欄に多くのご意見やご感想をいただき、その分量はファイル5冊分にも及びました。ご自身のこれまでのライフ・ヒストリーを丁寧に記述くださった方や、現在直面している生活や健康上の問題、本研究に対する肯定的なご意見、研究結果の公表を望まれるご意見などお寄せいただきました。自由記述の9割方は、本研究にご賛同いただける内容でした。しかし、ほんのわずかではありますが、調査実施に対してご批判のメールもいただきました。お寄せいただいたご意見・ご感想のひとつひとつを真摯に受け止め、データ解析・分析過程に反映させていただきました。