「Flirt」Directed by Hal Hartley

57分過ぎたトコで「これは面白いっ!」と感じた映画である。3つのオムニバス短編でニューヨークの男女カップル、ベルリンのゲイカップル、東京の外人&日本人のカップルというシチュエーション。全てに共通している事は「(ラストを除き)脚本が全く一緒」ということ。監督が同一人物なのであえて設定を意図的に変えたり、変に関連性を持たせている所(例えばNYの女が着物を着ていたり)は鼻に付いたが全体的には秀作の出来ではある。

ストーリーはいたってシンプルでタイトル「Flirt(浮気な人)」がその内容を象徴的に表わしている。主人公の恋人が仕事で3ヵ月間離れることになった。

その仕事先には彼の昔の彼女(彼)がいて心配な主人公はジェラシーから口論になり、彼から「俺達に未来はあるのか?」と問いただされる。実は浮気な彼等にもその前にクリアーにしておかなければならないことがあった。実は一回だけキスをしてしまった人に恋をしてしまい主人公達は彼等に「私達に未来はあるの?」と問いただす。

僕らにとってのアドバンテージはストーリーの一つは東京が舞台なので日本語でその台詞の日本語訳が分かることであろう。脇役で藤田朋子や、永瀬正敏などの出演もあったが、メインのキャストは見たこともないような新人さん達。制作されたのが3年前だからあんまりメジャーにはならなかったのかもね。それでも日本のモダンダンサーズクラブ(?)を舞台にミステリアスで不気味な雰囲気が出ていたし、キャストの声を囁くように喋らせるその意図はストーリー自体に神秘性がさらに深められ、3つのストーリー中では一番の出来だと思ってるんだけどね。

さらに全てエンディングが違う所も見所の一つ。結局最後にはそれぞれ違うハッピーエンドになるのは観ていて心地良かったし、特に第2話のゲイの主人公がふと立ち寄った屋台で知り合った見知らぬ男と瞬時に(目で?!)仲良くなって「終わり」なんて何かウチらっぽいと思いません?(これでもハッピーエンドなんかなあ?)僕自身57分目の3作目が始まった途端に監督の意図が全てクリアーになり一人で感動してしまった映画である。是非まだの方はご覧くださいね。
1999/07/24